おつけもの慶×市立川崎高校 「プロジェクトK」のあゆみ【前編】

おつけもの慶×市立川崎高校 「プロジェクトK」のあゆみ【前編】

 

 

こんにちは!おつけもの慶です。

川崎市でこだわりのキムチを作り続け、早いことに20年が経過しました。この記念すべき節目に、イベント「慶20周年フェスティバル」を開催します(11月17日-20日/川崎アゼリア・中央サンライト広場にて)

 

11月19日のステージイベントでは、おつけもの慶が地元・川崎市の高校生たちと協業で開発した新作キムチを発表します。

 

「プロジェクトK」登場人物

●市立川崎高校 生活科学科2年生の生徒さんたち
●渥美さん(おつけもの慶 代表)
●朱美さん(おつけもの慶 祭事隊長)
●伊藤さん(おつけもの慶 統括マネージャー)
●土方さん(おつけもの慶 工場長)

2022年春からスタートした「プロジェクトK

高校生とのキムチ開発計画は、その名も「プロジェクトK」。2022年春にスタートしました。

 

「当社は川崎市で長い間、キムチ屋を営んできました。でも地元の子供たちの中には、川崎名物にキムチがあると知らない子もいるでしょう。彼らに当社のキムチを知ってもらいながら、地元の役にも立てる取り組みがしたかった」(伊藤さん)

 

このような思いから、伊藤さんは教育委員会へ協業プロジェクトを提案。子供たちとともに新作キムチの商品開発をすることで、食に対する学びを深め、地元就労への興味を育てる目的がありました。

 

本プロジェクトに名乗りを上げたのは、川崎市立川崎高校(以下、市立川崎高校)。生活関連産業のスペジャリストを育成する生活科学科には、1学年40名の生徒が所属しています。今回は2年生を対象に、特別授業として実施することが決定しました。

 

 

「プロジェクトK」の概要は、市立川崎高校 生活科学科の生徒たちが8班に分かれ、各班で新作キムチを開発。優秀なキムチ2品を選出し、実際におつけもの慶で商品化するというもの。

 

このキムチは11月19日に行われる「慶20周年フェスティバル」でお披露目します。またこれにとどまらず、おつけもの慶の店頭や自販機で販売する予定です。

 

なお、この新作キムチの売上の一部は、川崎高校に寄付され、設備費や維持費に充てられます。

 

各班の新作キムチ試作会


2023
年6、いよいよ「プロジェクトK」が本格始動。生徒たちは各班で話し合い、慶のキムチに合う素材やレシピを考案。複数回、試作が行われました。

 

二度目の試作会は、9月下旬に実施。生徒たちは前回の反省を活かし、より美味しいキムチの完成を目指します。この試作会にはおつけもの慶の伊藤さん、土方さんも参加。各班の生徒たちのもとを巡り、アドバイスをしました。

 

 

試食をする渥美さん

 

土方さんからのアドバイス「一見キムチに合わなそうな食材でも、どうすれば合うようになるのか?調理方法やひと工夫について考えてみよう」

 

彼らは高校生とはいえ、食のプロを目指す若者。そのためレシピ考案にも力が入ります。試作は、キムチに合いそうな食べものをただキムチの素と和えるだけではありません。素材の切り方、加熱の仕方、下味の有無など、生徒たちは一つひとつの工程に気を配りながら、美味しい新作キムチの完成を目指します。

 

その姿に、おつけもの慶の大人たちも前のめり。生徒たちの質問に真摯に耳を傾け、プロの視点からアドバイスします。

 

例えば…

  • 「商品の日持ちや経過日数による素材の変化についても考えてみよう」
  • 「このキムチはどんな献立で、何と一緒に食べるものだと思う?」
  • 「食感を残すための素材の切り方、加熱の仕方は何が最適?」 など

 

 

 

この試作会を経て、計30弱の試作品から8品(各班1品)まで絞られます。そのため生徒たちはこれらの指摘を真剣に受け止め、キムチのブラッシュアップに励みました。

 

いよいよ新作キムチが決定!

試作会を経て、各班代表の8品が出揃いました。

 

 

 

おつけもの慶はこれら8品を工場に持ち帰り、話し合いののち、試作を重ねました。

そして最終的に商品化する3品を選出。当初は2品の予定でしたが、特別賞として1品を追加でピックアップ。

 

10月31日に行われた最終選考会で、生徒たちにその結果が伝えられました。

3品を発表すると教室からはざわめきが上がりました。選考落ちしたキムチを手がけた生徒たちも、今回選ばれた3品を見て、「あぁー」「たしかに」と大きくうなずき、納得している様子。

 

まずはおつけもの慶からの総評です。どのような基準で3品を選んだか、伊藤さん、土方さんが語ります。

 

 

「原価と販売価格の決め方もひとつの基準でした。特別授業として始まったプロジェクトとはいえ、このキムチは新商品として販売します。そのため『どうすれば儲けが出て、利益を確保できるのか』という点が考慮されているキムチである必要がありました」(伊藤さん)

 

また、実際に試作を手がけた張本人の土方さんは「3品中1品に苦労した」と笑います。

 

「この素材をどう調理すれば、最も美味しい状態でお客様に届けられるのか。何度も試作し、今朝、ようやく納得のいく出来に仕上がりました」(土方さん)

 

その後、試食会に移行します。おつけもの慶で製造した3品のキムチを各班に配布。完成した新作キムチが最終的にどのような味になったのかを全員で確認します。

 

3品を味見すると、教室のあちこちから「美味しい」「止まらなくなる」と声が上がりました。また、最終選考会には川崎高校の校長先生も参加。試食するや否や「すごく美味しかった!家族にも食べさせたくなる」とコメント。

 

 

 

一通り試食を済ませた生徒たちに、朱美さんは声をかけます。

「今回はこのようなプロジェクトで商品開発をしましたが、商品は『作っておしまい』ではありません。この後に続く、商品名の決定やPRもとても大切な仕事」(朱美さん)

 

「プロジェクトK」は、商品開発で終了するプロジェクトではありません。この後生徒たちは自ら話し合い商品名を決め、そのキムチはおつけもの慶の実店舗や自販機で販売されます。

 

市立川崎高校の生徒たちが手がけた3品のキムチは、11月19日の「慶20周年フェスティバル」ステージイベントで発表されます。生徒たちが登壇し、商品名やおすすめポイントなどを紹介する予定です。

 

果たして、どのキムチが選ばれたのでしょうか?皆さん、発表をお楽しみに。

 

【後編に続く】

 

慶20周年フェスティバル

11月17日(金)-20日(月)

11:00-20:00まで ※最終日は19時閉場予定

 

川崎アゼリア・中央サンライト広場

https://www.azalea.co.jp/floorguide/

 

取材・文/佐藤優奈