韓国では1年分のキムチをつくる国民行事があったり常備菜として各家庭やお店で登場したりするほど、キムチが愛されています。韓国キムチの日本との違いに触れつつ、韓国独特の文化や商品について解説します。 日本で人気が高まっているキムチは、韓国では常備菜として親しまれています。 1年分のキムチを漬け込む国民行事「キムジャン」やキムチ専用冷蔵庫があるなど、キムチは韓国で愛されている食品です。 今回は、韓国のキムチについて詳しく解説します。韓国のキムチに関する文化や日本のキムチとの違いなどを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。 韓国では当たり前?キムチにまつわる面白い4つの文化 昔からキムチづくりが盛んに行われてきた韓国では、キムチにまつわる面白い文化が根付いています。ここでは韓国のキムチに関する文化を4つ紹介します。 ①:キムチは常備菜として親しまれている ➁:一家に1台は当たり前な「キムチ専用冷蔵庫」 ③:国民行事と呼ばれる「キムジャン」 ④:11月22日は「キムチの日」 ①:キムチは常備菜として親しまれている 韓国では毎食といわれるほどに、1日に何度も食卓にキムチが並びます。 韓国のお店では、キムチはお通しの定番食品の1つです。キムチの美味しさがお店の評価につながるともいわれており、どのお店も美味しいキムチが並んでいます。 また、常備菜として親しまれてるキムチは、各家庭ごとにキムチの味付けが異なります。 長年各家庭で親しまれてきた味があり、キムチを通じてそれぞれの家庭の味を楽しめるのが魅力といえるでしょう。 ②:一家に1台は当たり前な「キムチ専用冷蔵庫」 キムジャンでつくった大量のキムチは、キムチ専用の冷蔵庫に保管します。 キムチは、温度や湿度の影響を受けながら少しずつ発酵が進む食品です。 昔は大きな壺にキムチを入れ、土に埋めてキムチの温度管理をしていました。しかし、韓国の発展とともに大型建築物が増えたため、土に埋めてキムチを管理するのが難しくなりました。 そこで1995年頃に誕生したのが、キムチ専用冷蔵庫です。キムチ専用冷蔵庫は、庫内がキムチの保存に適した温度や湿度を保てる環境になっています。 日数の設定ができたりキムチの発酵具合が表示されたりする冷蔵庫もあり、通常の冷蔵庫に比べてキムチを長期間美味しく保管できます。 キムチ専用冷蔵庫は、1年中美味しいキムチを食べたいと考える国民の願いに寄り添った家電製品といえるでしょう。 ③:国民行事と呼ばれる「キムジャン」 キムジャンは、古くから伝わる韓国で有名な行事の1つです。 毎年11月下旬から12月上旬の時期に、各家庭ごとに1年分のキムチをつくります。キムジャンの時期は韓国中で行われるキムチづくりに合わせて、スーパーに新鮮な白菜が大量に出回るのが見どころです。 キムジャンでは家族や親戚で助け合いながら大量のキムチをつくるため、家族間の結束が高まるとされています。 そんな韓国のキムチづくり文化であるキムジャンは、2013年にユネスコ人類無形遺産に登録されました。ユネスコ人類無形遺産には、日本の大切な食文化の「和食」も登録されています。 ④:11月22日は「キムチの日」 韓国では、毎年11月22日をキムチの日としています。 キムチの日は「キムチは1つ1つの素材が集まり22種類以上の健康効果が期待できる」との考えに基づき、2007年に韓国キムチ協会より考案されたのが始まりです。 考案の発表当日は「キムチEXPO」で宣言式が行われたり、キムチに関する情報を集めた雑誌「キムチ」の販売が始まったりなど、さまざまな取り組みが実施されました。 その結果、2020年に11月22日をキムチの日とすることが制定されています。ちなみに、キムチの日は休日ではありません。 キムチの 韓国と日本のキムチの3つの違い「辛さ」「味付け」「発酵」 世界で親しまれるキムチは国ごとにつくり方や風味が異なります。韓国と日本のキムチの違いは以下のとおりです。 ➀:韓国のキムチは香辛料をふんだんに使用 ➁:日本のキムチは甘さが特徴的 ➂:韓国と日本ではキムチの発酵度合いが異なる ①:韓国のキムチは日本より大きい唐辛子をふんだんに使用 韓国と日本では、キムチに使用する香辛料の種類や量が異なります。 日本でキムチをつくる際は、主に鷹の爪が使われます。対して韓国のキムチに使われる唐辛子は、日本の唐辛子よりも一回りほど大きな唐辛子です。 日本に比べて唐辛子の辛さに親しみのある韓国では、唐辛子の力強い辛さを感じられるキムチが好まれています。そのため、韓国のキムチは日本よりも唐辛子が大量に使われています。 ②:日本のキムチは甘さが特徴 日本のキムチは、韓国のキムチに比べて甘めの味付けです。 日本人は韓国人ほど、普段から辛いものを食べているわけではないため、辛い味に苦手意識をもつ人が多いと考えられています。 そのため、キムチの辛さを和らげる工夫として甘めの加工が施されています。 日本のキムチは、日本人が食べやすいように、国民の嗜好に合わせてつくられているといえるでしょう。 ➂:韓国と日本ではキムチの発酵度合いが異なる キムチは発酵が進むと、少しずつ酸味が強くなる食品です。 日本人は、発酵が進んだキムチの酸味を苦手とする方も多いため、発酵の進んでいない状態でキムチが販売されます。 対して韓国は、キムチの発酵の変化を楽しむ文化が根付いている国です。昔からキムチを食べ慣れていたこともあり、発酵が進んだ酸味の強いキムチも日常的に食べる風習が存在します。 韓国と日本のキムチは、それぞれに違った良さがあります。キムチを美味しく食べるために、国民の嗜好に合わせて辛さや発酵の度合いを調節していると考えられるでしょう。 ちなみに、発酵したキムチには乳酸菌が豊富に含まれています。乳酸菌の継続的な摂取は、腸内環境を整える効果が期待できます。 キムチの乳酸菌について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 キムチには乳酸菌が豊富?期待効果や生活に取り入れる食べ方のコツ 日本では珍しい?韓国キムチ3選とそれぞれの特徴 キムチは世界中で親しまれている食品であり、種類は100を超えるともいわれています。以下では、韓国で親しまれている人気のキムチを3つ紹介します。 ➀:日本では珍しく韓国では定番「ネギキムチ」 ➁:韓国の特産野菜を使用「チョンガクキムチ」 ➂:きゅうりのみずみずしさが絶品「オイソバキ」 ➀:日本では珍しく韓国では定番「ネギキムチ」 ネギキムチはその名のとおり、ネギでつくるキムチです。主に、青ネギや小ネギなどの細いネギを使用します。 漬けたてはネギの風味も加わって辛味を強く感じるでしょう。そのまま食べるのはもちろん、ほかの野菜と和えて食べるのもおすすめです。 おつけもの慶では、期間限定商品としてネギキムチを販売しています。旬の野菜のうま味が加わったネギキムチの入荷は、ホームページで随時お知らせします。 ➁:韓国の特産野菜を使用「チョンガクキムチ」 日本では馴染みのない、チョンガクム・アルタリムと呼ばれる韓国固有の野菜を使用したキムチです。チョンガクの名は、韓国の独身男性の髪型に似ていることが由来とされています。 チョンガクキムチは、かぶのように小さく大根に似たシャキシャキ感が楽しめます。独特の酸味と強い辛味が人気の秘密です。 ➂:きゅうりのみずみずしさが絶品「オイソバキ」 オイソバキは、日本でオイキムチとしても親しまれている、きゅうりを使ったキムチです。 きゅうりは全体の約9割以上が水分でできているため、ほかの野菜でつくったキムチよりもみずみずしくさっぱりとしています。とくに韓国のきゅうりは、日本のきゅうりに比べて太いため、よりみずみずしさを楽しめるでしょう。 きゅうりを使ったオイソバキは、きゅうりに十字の切り込みを入れて漬けられます。切り込みを入れることで、きゅうりのなかにキムチの香辛料がしっかりと馴染むため、強い辛味も味わえます。 キムチの種類について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 キムチの種類は100種類以上?おすすめのキムチの紹介と選び方のポイントを解説 韓国で主流の発酵キムチは日本でも購入できる!探し方のコツ 日本でも韓国の作り方を取り入れた発酵キムチを購入することができます。 ここでは、発酵キムチの探し方を紹介します。キムチ探しに悩んだら、ぜひ以下の方法を取り入れてみてください。 ➀:キムチくんマークを確認する ➁:熟成発酵や乳酸発酵の表記を確認する ➂:キムチ専門店で購入する ➀:キムチくんマークを確認する キムチ商品のなかには、キムチくんマークと呼ばれるキャラクターのイラストが貼られている商品があります。 キムチくんマークは、韓国政府に認められたことを示しています。特別に許可された商品のみに記されているマークで、発酵したキムチの証です。また、製造工程は衛生管理が徹底されているため、安全性が高く安心して食べられます。 店頭やインターネットで発酵キムチを購入する際は、商品に描かれているマークをチェックしましょう。 ➁:熟成発酵や乳酸発酵の表記を確認する 発酵キムチを見極めるポイントは、キムチくんマークだけではありません。キムチのパッケージの表面や裏面に、熟成発酵や乳酸発酵などと書かれているキムチも、発酵キムチの証です。 発酵キムチは、販売されているあいだも少しずつ発酵が進みます。そのため、パッケージに酸味が変わる注意書きなども記載されています。 発酵キムチをお探しの際は、パッケージに注目してみてください。 ➂:キムチ専門店で購入する キムチを販売するお店のなかには、キムチを専門的に取り扱っている場所もあります。 キムチ専門店では、厳選素材を使用したこだわりの商品が取り扱われています。漬け込み作業など1つ1つ手作りなのが美味しさの秘密です。 専門店のなかにはキムチをつくれるキットを販売する店舗もあります。キットを購入すれば、自宅で簡単に本格的なキムチがつくれるでしょう。 おつけもの慶でも「慶キムチの素」を販売しています。白菜の量や漬け込むタレの量を調節すれば、好みの辛さにアレンジが可能です。ぜひご活用ください。 日本と韓国のキムチの違いを楽しもう ひとえにキムチと言っても、日本と韓国では味わいが違う点や、韓国風のキムチが食べたい場合はどうすればよいかなどを解説いたしました。 くくりとしては同じですが、日本と韓国のキムチを食べ比べてみるのも楽しみの1つかもしれませんね。 「おつけもの慶」では、日本らしい浅漬けで酸味の少ない新鮮なキムチをお届けしております。和風キムチ専門店の美味しいキムチを堪能したい方は、ぜひラインナップをご覧ください!