キムチは発酵食品で、植物由来の乳酸菌が豊富に含まれています。乳酸菌は生きたまま腸まで届くため、継続的な摂取によって腸内環境の改善につながるでしょう。 今回は、キムチの乳酸菌について詳しく解説します。キムチに含まれる乳酸菌の種類や健康効果、生活へ取り入れる方法などを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。 なお、キムチの栄養全般について知りたい方は、「キムチに含まれる7つの栄養とは?毎日食べるメリットと気をつけるべきポイント」をご覧ください。 キムチには腸活につながる乳酸菌が豊富に含まれる キムチは発酵食品の1つであるため、ヨーグルトや納豆と同じく乳酸菌が豊富に含まれています。 またキムチに含まれる乳酸菌は善玉菌の仲間で、主にラクトバチルス菌と呼ばれる菌で構成されています。 ラクトバチルス菌には整腸作用が期待できるため、良好な腸内環境づくりをサポートしてくれるでしょう。 乳酸菌は、体内に入ると3日から4日ほど腸内にとどまるとされていますが、常在菌として定着することはできません。そのため、腸内環境を良好に保つには、乳酸菌の継続的な摂取がカギとなります。 キムチの乳酸菌の3つの特徴と身体へのはたらき キムチに含まれる乳酸菌は、生きたまま腸に届き善玉菌の増殖に関与するなど、体内でさまざまな役割を果たします。 ここでは、キムチの乳酸菌の3つの特徴と身体へのはたらきを詳しく紹介します。 ➀:キムチの乳酸菌は食物繊維が豊富に含まれる植物由来 ➁:生きたまま腸まで届くため、腸内環境に影響する ➂:善玉菌を増やし悪玉菌を減らす ①:キムチの乳酸菌は食物繊維が豊富に含まれる植物由来 キムチは、野菜を用いてつくられるため、植物性乳酸菌が豊富に含まれています。 乳酸菌は、性質の違いから動物性と植物性の2種類に分類されます。それぞれの主な食品は、以下の表のとおりです。 主な分類 動物性乳酸菌 植物性乳酸菌 主な食品 ヨーグルト 発酵バター ナチュラルチーズ キムチ 納豆 ぬか漬け 醤油 味噌 動物性乳酸菌は、主に乳製品を発酵してつくられた食品を指します。動物性乳酸菌に分類される食品は、タンパク質やカルシウムを豊富に含んでいるのが特徴です。 対して植物性乳酸菌は、野菜や穀物などから得られます。植物性乳酸菌に分類される食品は、日本人の食文化に馴染みのあるものが多く分類されています。 植物性乳酸菌を含む食品は動物性乳酸菌に分類される食品に比べて、食物繊維が豊富に含まれているものが多いです。 ➁:生きたまま腸まで届くため、腸内環境に影響する 植物性乳酸菌は、生きたまま腸まで届いて腸内の環境を良好に保ってくれる心強い菌の1つです。 食べ物の多くは胃で分解されてから腸へと移動します。酸に弱い性質を持つ動物性乳酸菌は胃で分解されるため、生きた状態で腸まで移動ができません。 対して植物性乳酸菌は、強力な胃酸にも耐えられるため、生きたまま腸まで移動ができます。 植物性乳酸菌の酸に強い性質は、腸内のバランスを保つために大きなメリットとなるでしょう。 ➂:善玉菌を増やし悪玉菌を減らす 乳酸菌は、腸内の良好な環境を保つのに欠かせない善玉菌の増殖を促す菌です。 腸は、善玉菌と悪玉菌のバランスが整っていることで正常に作用します。そのため、偏った食事による腸内環境の乱れは、悪玉菌の増殖や善玉菌の減少につながるでしょう。 乳酸菌は、腸内で悪玉菌の増殖を抑えるはたらきが期待できます。悪玉菌のはたらきを抑制することは、善玉菌の生きやすい環境を整えることにつながります。 キムチの乳酸菌に期待できる3つの健康効果 キムチの継続的な摂取は、腸内環境の改善や免疫力の向上など、健康的な身体づくりに欠かせないさまざまなメリットが期待できるでしょう。 ここでは、キムチの乳酸菌に期待できる健康効果について、期待値の高い順に3つご紹介します。 ➀:腸内環境の改善(栄養の消化・吸収の促進) ➁:免疫力の向上 ➂:悪玉コレステロールの減少 ➀:腸内環境の改善(栄養の消化・吸収の促進) 継続的にキムチを摂取すると、腸内環境の改善が期待できるでしょう。 キムチに含まれる植物性乳酸菌は生きたまま腸に届き、悪玉菌を減らして善玉菌が増えやすい環境を整えます。 腸内環境が整うと腸の動きが正常化し、結果として栄養の消化・吸収が促進され、より健康的な身体づくりにつながります。 ②:免疫力の向上 キムチの乳酸菌の摂取は、免疫力を高める効果も期待できるでしょう。 人の粘膜には、IgA抗体が存在しています。IgA抗体は、ウイルスの侵入を防ぐ役割があります。 乳酸菌の摂取は腸管内のIgA抗体の増加につながるため、乳酸菌は風邪の予防に効果的な菌といえるでしょう。 そして、腸内では、免疫のはたらきに関与するビタミンB1やB6などの栄養素が合成されます。乳酸菌の摂取によって腸内環境を整えることは、免疫力の向上につながるでしょう。 キムチ全般に期待できる効果については「キムチは世界五大健康食品?驚きの効果や栄養価を解説」をご覧ください。 ➂:悪玉コレステロールの減少 乳酸菌の摂取は、悪玉コレステロールを減らす効果が期待できます。 体内でコレステロールを貯める作用を示すのが、悪玉コレステロールです。コレステロールを回収する善玉コレステロールとのバランスが崩れると、体内の悪玉コレステロールが増加し、動脈硬化や脳梗塞などのリスクが高まると考えられています。 また一部の乳酸菌には、悪玉コレステロールを吸着するはたらきが期待できます。さらに乳酸菌は、悪玉コレステロールの合成に必要な酵素のはたらきを防ぐ物質の生成にも関与しているといわれています。 乳酸菌は、健康な身体づくりを支える大切な菌と考えられるでしょう。 キムチの乳酸菌はどこから来る? キムチは、野菜だけでなく空気中に存在する乳酸菌などの影響も受けながら、少しずつ発酵が進みます。 ここでは、キムチの乳酸菌がどこから来るのかを、乳酸菌の付着する過程に合わせて詳しく紹介します。 ➀:原材料に由来するもの ➁:自然環境に由来するもの ➂:調味料に由来するもの ➀:原材料に由来するもの キムチは、大根や白菜などの野菜に含まれる乳酸菌の作用により発酵が起こります。 野菜の多くは、乳酸菌が付着しています。野菜から出た果糖やブドウ糖を栄養にしながら、乳酸菌が増えて発酵が進むのが特徴です。 また、キムチは野菜だけでなく、イカやタコなどを用いてつくられるものもあります。原材料が違えば食感や風味も異なるため、さまざまな味わいが楽しめるでしょう。 野菜だけでなく海鮮のキムチが気になる方には「慶のタコキムチ」がおすすめです。プリプリと大きなタコと白菜のバランスがよく、人気の一品です。ぜひご堪能ください。 ➁:自然環境に由来するもの キムチは野菜に含まれた乳酸菌に加えて、自然に存在する乳酸菌の影響も受けます。 たとえば、乳酸菌は土壌にも存在しています。土で育てる大根など(カクテキの原料)には、土壌由来の乳酸菌が付着する可能性もあるでしょう。 土壌の乳酸菌は、キムチに豊富な乳酸菌が含まれる理由の1つです。 ➂:調味料に由来するもの キムチの乳酸菌の増加は、調味料の影響も考えられるでしょう。 キムチの保存性を高めるために欠かせない塩は、乳酸菌の増殖を促す目的としても使用されています。 キムチの乳酸菌は、乳酸を産生しながら発酵を少しずつ進め、食品に変化をもたらします。発酵を進める過程で、キムチの保存性や美味しさを高めるのに調味料は重要な役割を持つといえるでしょう。 乳酸菌を増やすには、適度な温度や時間の管理も重要となります。キムチは、さまざまな乳酸菌の付着によって発酵が進み、独特の味わいが生まれるのです。 キムチの乳酸菌の効果を期待するために押さえておくべき3つの食べ方のコツ キムチは乳酸菌が豊富に含まれています。乳酸菌の効果を期待したい方は、選び方や組み合わせなどを工夫することで、乳酸菌の効果を効率よく得られるでしょう。 ここでは、キムチの乳酸菌の効果を期待するために押さえておくべき食べ方のコツを、3つ紹介します。 ➀:発酵タイプのキムチを選ぶ ➁:キムチ×納豆で乳酸菌を増やす ➂:加熱調理を避けて乳酸菌の減少を防ぐ ①:発酵タイプのキムチを選ぶ キムチの乳酸菌の効果を期待したい方は、キムチを選ぶ際に、乳酸菌が豊富に含まれているかをしっかりと確認しましょう。 キムチには発酵と非発酵の2タイプがあり、日本で売られているキムチの多くは非発酵タイプです。非発酵タイプは発酵キムチに比べて乳酸菌が少ない傾向にあります。 乳酸菌の効果を期待したいのであれば、発酵タイプを選ぶのがおすすめです。 発酵キムチの詳しい特徴は「キムチの種類は100種類以上?おすすめのキムチの紹介と選び方のポイントを解説」をご覧ください。 ➁:キムチ×納豆で乳酸菌を増やす キムチの組み合わせを工夫すれば、乳酸菌を多く摂ることにつながります。 乳酸菌を増やすのにおすすめなのが、キムチと納豆の組み合わせです。 納豆に含まれる納豆菌は、キムチの乳酸菌の増殖を助けます。納豆菌が産生するオリゴ糖がキムチの乳酸菌のエサとなるためです。 乳酸菌が増えると腸内が良好な状態となり、腸がスムーズに動くため、健康な身体づくりの一助となるでしょう。 そのほかのおすすめの食べ合わせは「キムチの驚くべきダイエット効果とは?食べ合わせの工夫やポイントも解説」で詳しく解説しています。 ➂:加熱調理を避けて乳酸菌の減少を防ぐ キムチの乳酸菌の効果を期待する場合は、調理方法にも注意が必要です。キムチの乳酸菌は植物由来のため生きたまま腸まで届きますが、熱に弱い性質を持っているため、フライパンや鍋などでの高温調理は乳酸菌の減少につながるとされています。 そのため、キムチの乳酸菌の減少を防ぐには、常温または冷蔵庫で保管されたままの状態で食べるのがおすすめです。豚キムチやチャーハンなど、キムチをアレンジした料理を楽しみたい場合は、仕上げる直前に入れて、サッと炒める程度にしましょう。 ちなみに、熱で弱ったキムチの乳酸菌は、完全に死滅するわけではありません。弱った乳酸菌も善玉菌のエサとなり、腸内環境を改善するために力を貸してくれます。 効果的なキムチの食べ方について詳しく知りたい方は「キムチは世界五大健康食品?驚きの効果や栄養価を解説」をご覧ください。 乳酸菌が豊富に含まれたキムチを食生活に取り入れよう キムチは発酵してつくられるため、乳酸菌が豊富に含まれています。キムチの乳酸菌には食材由来や自然由来のものがあり、発酵が進むことでキムチの独特な風味や酸味がつくられていきます。 乳酸菌の継続的な摂取は、腸内環境の改善や免疫力の向上など、健康な身体づくりに欠かせないさまざまな効果が期待できるでしょう。キムチの乳酸菌の効果を期待するならば、加熱調理を避けるなどし、効率よく乳酸菌を摂取するのがおすすめです。 「おつけもの慶」では、野菜・海鮮など豊富なキムチを職人が1つ1つ手作りしており、野菜の新鮮さと発酵の絶妙なバランスを考えてお届けしています。ぜひ、商品一覧をご覧になってみてください。