水キムチとはどんな味?キムチとの違いや期待できる効果、簡単な作り方

水キムチとは、透明な漬け汁ごと味わう「辛くないキムチ」です。さっぱりとした酸味が感じられる爽やかな風味は、キムチの本場韓国でなじみ深い食品として知られています。


乳酸菌を豊富に含む水キムチは腸内環境の改善効果が期待できるだけでなく、簡単に作れる発酵食品として注目されている食品の1つです。


今回は、水キムチとは何かを徹底解説します。通常のキムチとの違いや期待できる栄養効果、簡単な作り方などもご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

 


水キムチとは「飲むキムチ」

 

水キムチは、韓国で古くから親しまれているキムチの一種です。漬けた野菜だけでなく、汁ごと楽しむ珍しいスタイルが特徴で、韓国語では「水」を意味するムルが付いて「ムルキムチ」と呼ばれています。


韓国では、食前に喉を潤したり胃を整えたりする目的として水キムチの漬け汁を飲むことがあります。さっぱりとした水キムチは油の多い料理を食べたあとの口直しや締めにもぴったりです。


日本ではまだまだ認知度が低く、発酵食品に関心のある人たちを中心に少しずつ広がりつつあります。


★韓国のキムチ事情については、以下の記事で詳しく解説しています。

日本と韓国のキムチの違いは?韓国の人気キムチや文化も解説


通常のキムチとの違い

 

水キムチと通常のキムチの違いは、「見た目の色」と「味」です。


まず、色の違いに着目しましょう。


通常のキムチは唐辛子をふんだんに使うため、全体的に鮮やかな赤色をしています。


しかし、水キムチは唐辛子を使わないものや、使っても少量のものが多いため、透明感のある白い漬け汁となります。


また、味の違いを比較すると、唐辛子の辛さが際立つ一般的なキムチに対し、水キムチはさっぱりとした風味が楽しめるのが特徴です。


水キムチは唐辛子の辛さが弱いため、通常のキムチよりも野菜の自然な甘みが際立ちます。刺激が少なく口当たりの優しい風味は、辛いものが苦手な方でも食べやすいでしょう。


辛味を楽しみたい日は通常のキムチ、さっぱりとした味を楽しみたい日は水キムチなど、その日の気分でそれぞれのキムチを楽しんでみるのも良いでしょう。


水キムチをいますぐ食べてみたい方は、おつけもの慶の「オイキムチ刻み」をお試しください。生姜がほんのりと香るさっぱりとした風味で、箸休めにぴったりの一品です。


水キムチのかんたんな作り方

 

水キムチのかんたんな作り方をご紹介します。


【主な材料】

・お好みの野菜

(パプリカ1個、きゅうり2本、セロリ1本、りんご1/2個など)

・生姜 1片

・ニンニク 2片

・米のとぎ汁 適量(具材が浸かる量)

・塩 野菜や果物の総量に対して2%から3%

・砂糖 10g

・唐辛子 3本

・まな板

・包丁

・鍋

・保存容器

・ラップ


【作り方の手順】

①主食材と香味野菜を切る

②野菜を軽量する

③塩をまぶして良く混ぜる

④米のとぎ汁を加えて混ぜる

⑤漬け置きし発酵させる

⑥冷蔵庫で保管する


パプリカときゅうりを乱切りにし、セロリは筋を取って1cm程の斜め切りにします。りんごは6等分から8等分にして5mm程の厚さに切りましょう。


生姜は繊維を裁ちながら薄くスライスし、ニンニクは4等分に切ります。野菜や果物とともにボウルに入れ計量したら、塩を加えます。


お米のとぎ汁を加えて発酵が進み、程よい酸味が出れば完成です。水キムチは作った日から食べることができます。


なお、お米のとぎ汁が手に入らないときは、米粉や甘酒で代用が可能です。


水キムチ作りで押さえておくべきポイント

 

失敗を防いで美味しい水キムチを作るには、ポイントを押さえながら進めていくのが大切です。ここでは、水キムチ作りを成功させるために押さえておきたいポイントについて詳しく解説します。


①:とぎ汁は1番濃いものを使う

②:塩分は野菜の重量の2%から3%を目安にする

③:温度は20℃から30℃を維持する


①:お米のとぎ汁は濃度の濃いものを使う

水キムチを美味しく仕上げるのに欠かせないのが「お米のとぎ汁」です。

 

とぎ汁には、発酵をスムーズに進めるうえで大切な糖分が豊富に含まれています。

 

白菜や大根などの野菜に付着した乳酸菌が、とぎ汁の糖分を栄養源として活性化し、適度な酸味と旨味を生み出してくれます。

 

水キムチ作りでは、そのとぎ汁の濃度に注目しましょう。白濁したとぎ汁ほど糖質量が多く、発酵を力強く後押しします。

 

したがって、仕込みには早い段階のとぎ汁を使うのがベストです。

 

ただし、最初のとぎ汁には、お米に付着した汚れやゴミが含まれている可能性があります。2回目から3回目のとぎ汁を使うのがおすすめです。

 

また、とぎ汁は時間が経つと糖分が沈殿しやすくなります。野菜ととぎ汁を合わせる際は、よく混ぜましょう。


②:塩分は野菜の重量の2%から3%を目安にする

水キムチを美味しく仕上げるためには「塩分の量」も大切です。


目安は、野菜の重量に対して2%から3%の塩分です。作り始めは2%からスタートし、味を見ながら塩の量を調整しましょう。


とくにきゅうりなど水分の多い野菜は、漬け時間の経過とともに野菜から水分が出ます。水分の少ない野菜に比べて、漬け汁の塩分濃度が下がる場合があるでしょう。


野菜の種類に合わせて、塩分量を調整することで、自分好みの水キムチに仕上げられ失敗を防げます。


なお、気温が高い夏場の時期は、3%の塩分をしっかりと加えましょう。塩分は雑菌の繁殖を防ぐ効果があり、乳酸菌の働きを助けながら発酵環境を整える役割を担ってくれます。


野菜の種類や日々の環境の変化に合わせて塩分を微調整するのが、水キムチ作りのコツです。


③:温度は20℃から30℃を維持する

乳酸菌の発酵を促すには、温度管理も重要です。適温を保つことで、しっかりと発酵が進み、乳酸菌の酸味が生まれて美味しい水キムチが出来上がります。


乳酸菌は、20℃から30℃の環境が最も活動的になるとされています。そのため、室温の高い夏場は半日ほど、気温が下がる秋から春にかけては1日ほど常温で置いておけば、程よい酸味が作り出せます。


水キムチは発酵が進みすぎると酸味が強調されるため、途中で味見をしながら調整しましょう。


発酵後の水キムチは、冷蔵庫で保管します。温度の低い環境では発酵速度が遅くなるため、酸味の進行を抑えられ、緩やかな味の変化を楽しむことができるでしょう。


水キムチの保存方法と期間の目安

 

水キムチは、通常のキムチに比べて塩分濃度が薄いため、傷みやすいです。必ず冷蔵庫で保管しましょう。


また、発酵を緩やかに保ち長期間味わうためには、密閉できる保存容器がおすすめです。水キムチは空気に触れるとカビや雑菌が繁殖しやすくなるため、フタ付きの保存容器を使用し密閉状態を保ちましょう。


水キムチの保存には「キムチ専用容器 K-pot」がおすすめです。密閉力と使いやすさに優れているため、ぜひチェックしてみてください。


水キムチの保存期間の目安は、冷蔵庫で約1週間です。ただし作り方や材料、保管環境によって日数は変動するため、なるべく早めに食べ切りましょう。


そして、水キムチを食べる前は見た目やにおいなどを確認するのも、安全に食べるために欠かせません。保存環境を徹底して、美味しく安全に水キムチを楽しみましょう。


★キムチの保存について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

キムチが酸っぱくならない保存方法とは?容器や場所・臭い対策のポイント


水キムチの美味しい食べ方とアレンジ方法

 

さっぱりとした味わいが特徴の水キムチは、食べ方を工夫することでより美味しく食べられます。また、素材のうま味を活かしたシンプルな風味は、アレンジも楽しめるのが水キムチの魅力です。


ここでは、水キムチの美味しい食べ方とおすすめのアレンジ方法をご紹介します。


①:調理して楽しむ

②:季節に合わせて楽しむ


①:調理して楽しむ

そのままでも美味しい水キムチは、ちょっとした工夫で新しい味わいをプラスできます。


たとえば、水キムチとめんつゆを合わせて、冷やしそうめんの漬けダレにアレンジするのがおすすめです。水キムチのほんのりとした酸味が加わり、暑い季節に合うさっぱりとした一品になります。


また、冷しゃぶに水キムチを添えれば、食べごたえのある豚肉も後味がさっぱりとしているため食べやすいでしょう。


さらに、豆腐の上に水キムチをトッピングし、ごま油や粉末だしを加えると、定番の冷ややっこがひと味違う副菜に早変わりします。水キムチの野菜のシャキシャキ感と豆腐のまろやかさが絶妙にマッチします。


そして、漬け汁のみをそのまま活用するのもおすすめです。


わかめや白ごま、小ねぎなどを加えて氷を足せば、冷製朝食スープとして楽しめます。すっきりとした軽い口当たりは、寝起きの身体にも優しく、カロリーも低いため食事制限中の方でも食べやすいでしょう。


②:季節に合わせて楽しむ

さっぱりとした味わいと発酵による酸味が特徴的な水キムチは、季節ごとに違った美味しさを楽しめるのが魅力でもあります。


たとえば暑い夏には、キュウリや水ナスなどの水分が豊富に含まれた野菜を使うと、ひんやりとした清涼感ある一品に仕上がります。


食欲が落ちがちな夏の時期でも、冷やした水キムチなら喉を通りやすく、身体の内側からクールダウンできるでしょう。


漬け汁は、水で割って氷を入れれば乳酸菌ドリンクとしても活用可能です。汗ばむ季節の水分補給や、リフレッシュしたいときの飲み物にいかがでしょうか。


反対に寒さの厳しい季節には、水キムチを温かい鍋に入れて楽しむのもアイデアの1つです。水キムチの程よい酸味が鍋の出汁の味と合わさり、さっぱりとした後味に仕上がります。


水キムチは、使う野菜や食べ方を少し工夫するだけで、さまざまな味わいが生み出せる発酵食品です。ぜひ、お好みのアレンジでお楽しみください。


水キムチを食卓に取り入れて手軽に発酵食品を楽しもう

乳酸菌や酵素が豊富な水キムチは、さっぱりとした味わいが魅力の発酵食品で、暑い季節や胃腸が疲れたときにもぴったりの一品です。


自宅で作るのも良いですが、仕込みの手間が気になる方には、市販のキムチを上手に取り入れるのも選択肢の一つです。


本格的な味を楽しみたい方には、キムチ専門店「おつけもの慶」の商品もぜひお試しください。中でも、水キムチのようなさっぱりとしたキムチを探している方は、昆布出汁と生姜が香る「オイキムチ刻み」は、さっぱりとした味わいでおすすめです。


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